Streaming@Okutama
// by 折場 捻人

アッテルベリ: 組曲第7番

Kurt Atterberg: Suite No.7
Camerata Nordica
Ulf Wallin (cond)
(2006)

スウェーデンの作曲家の中では比較的有名な方といわれるアッテルベリをいろいろ聴いてみた。昔CDで買ったNAXOSの『スウェーデン管弦楽名曲集(第2集)』ではじめて知った作曲家で、そこに収められている『組曲3番』はよく聴いていたが、今回のアルバムに入っているのは7番。1926の作曲で、シェークスピアの『アントニーとクレオパトラ』劇随伴音楽から5曲を選んだものとされている。各曲には "Alla Marcia", "Poetico", "Grazioso", "Doloroso", "Festivo" というタイトルが付いており、陽気な(粗野といってもよい)最初と最後の曲に挟まれた中間のメランコリックな3曲がとてもよい。特に、1分弱の短いAlla Marciaが終わった後、弦の高音に導かれて急にひんやりとした空気が周囲を包み込み、暗い森に誘うPoeticoは、単純だが不思議な力を持っている。ただ、劇のどこに付けられた音楽かはわからないし、むしろ暑い所の話のはずだから、これは勝手な音だけに頼った空想でしかないのだが。

同時に、懐かしい MARCO POLO のアルバム(ヴァイオリンソナタがメイン)も見つけたのだが、その中に入っていたピアノ独奏曲 "Valse Monotone" が組曲第3番の有名な3曲目("Vision")の作曲家による編曲だというのは発見だった。イントロがやや投げやりな感じではあるが、まずまずである。残念ながら楽譜はないようだ。

Kurt Atterberg: Valse Monotone
Ilona Prunyi(pf)
(1993)

 

(Oct. 22, 2022)